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-大人になって言えないこと-  百合漫画 Collectorsレビュー


※このレビューは漫画本編のネタバレを含みます。




「Collectors」 西UKO

コレクターズ 1

今回は西UKO著の漫画「Collectors(コレクターズ)」をレビューします。

西UKO先生(以下:西先生)が出されている著書は現在4冊、全て百合です。
その中でも西先生が白泉社出版「楽園」で長期連載されていた「Collectors」(全2巻)をご紹介したいと思います。
※百合…女性同士の恋愛をテーマにした作品の通称。




==あらすじ==


本を買い読むのが趣味で、大学院生の仁藤 忍と、服を買い自身を着飾るのが趣味で、実家の町工場を継いで社長の関崎 貴子は、カップル。
友人の志賀 直巳と、もう一人(名前不明)を巻き込みながら、二人が織り成す日常を描いた作品。



想っているのに言葉に出せない

本編はいたって普通の、カップルの日常。

喧嘩したり、無意識にいちゃいちゃして直巳達に呆れられたり、それぞれの日常を垣間見たり。
しかし本編では語られなかった心情が、想いとなってラストに言葉で綴られています。
相手には決して言えないことだけれども、想っていることは変わらない。
けれどその言葉を言葉として発せられないもどかしさがこの作品にはあります。


「私の何が好き?」「あなたのことを大切に想っている」
どれも他愛のない言葉なのに、いざ音声に変換し発するとなるとできない。
それは年を取れば取るほどに、経験や戸惑いが枷になり、言葉にすることが憚れられしまう。
作中には詳しい年齢の定義はありませんが、20代中盤だろうと思われます。
こどもらしい心はありつつも、社会という様式を知り、こどもの時の様に無邪気に想いを伝えることができなくなってしまう。
20代中盤という大人になりつつも、こどもの心が忘れられない登場人物達は、誰にでも経験あり、また共感ができるのではないでしょうか。




たった一文なのに

一巻の始めと二巻の最終話にこんな言葉があります。


「一緒に暮らそうよ(結婚しようよ)」


たった一文です。言葉にすれば5秒にも満たないものです。簡素で、わかりやすくて、素直な言葉。
けれどもお互い一緒に居て言い出せる空気になっているのにも関わらず、その一文を言い出すことができない。
何せ「結婚」という言葉は、一生添い遂げる為の約束、悪く言えば拘束です。
二文字なのにそれだけの意味合いが含まれているので、非常に想い言葉だと考えます。


こどもならばそんなことはないでしょう。
こどもは感情をすぐ言葉にできる子が多数です。こどもの時はなんでも質問すれば大人が答えてくれる、周りの子が答えてくれる。
多くある答えを予測せずに、自身が期待している言葉だけを求めて質問する。
大人となった今では、素直に期待する心が羨ましくもあります。


忍と貴子は学生時代から付き合っていて、お互い言い出せるほどの関係を築いてきたはずなのに、
「相手が言ってくれるのでは?」と期待してしまっています。


しかし、もし自分が「一緒に暮らそうよ(結婚しようよ)」と言い、相手が自分の期待している言葉とは異なった返事をしてしまったら……。
上記でも記した通り、大人は経験を積み、その経験から相手の出方を様子見ます。
それは仕事上、友人だけではなく、恋人でもそうです。
いえ、寧ろ恋人という近しい存在だからこそ、余計に言い出しにくいのではないでしょうか。


他愛のないカップルの日常。しかし心では相手に「一緒に暮らそうよ(結婚しようよ)」という言葉を期待しています。
忍と貴子の想いは、重なり合うのでしょうか。
二人は言いたかった言葉を、想いを、共有できるかは「Collectors」を読んでいただき、是非二人の行く末を目にしていただければと思います。




西UKO先生のオススメの作品

西先生の作品は「Collectors」しか拝読していませんが、女性ならではの繊細な心理描写、作画が緻密で線画流れるように美しく、お勧めです。
「Collectors」以外にも「宝石色の恋」「となりのロボット」がありますので、是非チェックしてみてください!



宝石色の恋
宝石色の恋 西UKO作品集 (楽園コミックス)

となりのロボット
となりのロボット




Text by:はな
少し早い研修期間が始まりました。
4月からいよいよ社会人です。

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大人になって言えないことー百合漫画 Collectorsレビュー
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