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クィアフレンドリーなイタリアンカフェcolori caffè 閉店の話 <後編>

colori caffè 閉店の話サムネイル

 

前編はこちらから

 

colori caffè(コローリカフェ・以下colori)さんは、京都・千本通りにあるイタリアンカフェ。
京都・大原の野菜を使ったサラダやパスタ、オーガニック食材を使ったケーキなどが楽しめるごはんの美味しいお店です。
そして、coloriさんの店先には、大きなレインボーフラッグが掲げてあり、関西・そして日本中(いや、世界中)のクィア(※1)&レズビアンが集まるクィア・LGBTフレンドリーカフェとしても知られています。
そんなcoloriさんが2016年5月8日に閉店されるということで、Girrls∞Luv!(ガールズラブ)では、店長のヨッシーさんに「閉店の理由」についてインタビューさせて頂きました!
※ 1:クィア…元々は蔑称として使われていたが、現在では多数派とは異なる性のあり方や生き方をする人の自称として使われている言葉

 

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—それでは、さっそく本題についてお聞きしたいと思います。
なぜcoloriさんの閉店を決断されたのでしょうか?

 

そうですね…理由は大きく3つあります。

1つめの理由は、ビジネスが立ち行かなくなったためです。
もちろんそこでお店を閉めるという選択肢もあったのですが、うまくいかないから閉店するという形で終わらせたくないと思っていました。
そこで、どうすればお店が良くなるのか、お客さんに来てもらえるのかについて、ここ3年ほど考え、色々な試行錯誤を重ねてきました。
残念ながら、ビジネスを軌道に戻すことはできませんでしたが、その試行錯誤の中で自分の次のステージを見つけることができました。

 

2つめの理由は、大原の野菜に出会い、野菜の生産者や料理人の方々に出会ったことで、「料理」というフィールドでチャレンジしたいと思ったからです。
ちょうど3年前、私がこれらの問題を考えはじめた時期でした。
アメリカの西海岸と東海岸のいくつかの都市をひと月くらいかけて旅行したんです。
その頃アメリカでは、Farm to Table (畑から食卓まで)という考え方がトレンドから文化に定着してきた頃でした。
特に私が訪れたLAやニューヨークなどの大都市では、地元のオーガニック食材を積極的に使うレストランが増えて、人々の意識もますます高くなっていました。
現地の友達がシェフをしている他の友達を紹介してくれたり、食べものに関心の高い人たちと出会ったりすると、みんな必ずと言っていいほど「君の店では野菜はオーガニックを使ってるの?」と聞かれました。
そうじゃなかったので、自信を持って答えられないことにとても悔しい思いをしました。
また、カリフォルニア州・バークレーにあるChez Panisse (シェ・パニース)という憧れのレストランで、そこのシグニチャーデッシュとも言える「ガーデンサラダ」を食べました。
一体どんなサラダなんだろう?と思って食べてみると、地元の新鮮な野菜を使ったとてもシンプルなサラダでした。
もしかしたら、京都の野菜でもこのサラダを作れるんじゃないかと思いました。
その流れから、帰国後に「食材を変えよう」と決めました。そして足を運んだのが「大原の朝市」でした。
ここに毎週通う中で、生産者や料理人の方たちとの出会いがあり、それが私の料理のスタンスを変えてくれました。
地元の小さな農家さんから直接買うことや、安全で美味しい食材を使うことの大切さを学びました。
そうすると、パンやパスタも素材にこだわりたくなって手作りするようになり、自分の料理のフィールドが広がっていくのを感じました。
実は、今まで自分のことを料理人と呼ぶのは居心地が悪かったんです。
でも大原に通い始め、自分の料理に対する価値を積み上げていくことで、料理人のコミュニティに足を踏み入れる自信がついてきたんです。
新しい扉が開きだしたなあって感じてます。

 

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3つめの理由は、もっといいお店を作りたいからです。
2015年の10月の終わりから約2週間、憧れのChez Panisse (シェ・パニース)でインターンとして働いてきました。
出発する前から閉店のことは自分の中でほぼ決めていたのですが、その先どうしたいのかがわからなったんです。
で、向こうに行けば何かが見えるだろうと思って行ってみたけれど、インターン中はただがむしゃらで何も考えられなかったし答えも出せなかった。
でも、日本に帰ってきたとき「やっぱり自分のお店をしたい。自分の料理をお客さんに食べてもらいたい」と強く思いました。
大原の農家さんの野菜は、Chez Panisseで使っている野菜に比べても全然ひけを取らないくらい美味しいし、力強い生命力を感じる。
やるならやっぱり京都だ、という想いを再確認したんです。
coloriを閉店してからは、別のお店で働いて弱点を克服しようと思っています。
そしてまた京都の別の場所で、美味しい料理を出すお店を開きたいと思っています。

 

—新しいコンセプトのお店を開くという目標のために、閉店を決められたということですね。
でも、今回の閉店で、クィア・LGBTコミュニティには残念に思う方も多いと思います。
それについてはどう思われますか?

 

そうですね、そこは自分でも色々と考えました。
次のお店は、レインボーフラッグを掲げないつもりでいます。
元々、coloriのレインボーフラッグは、お店の要素の一部であって、それが全てというつもりではありませんでした。
もちろん、今も旗を掲げたときの感動は忘れていないので、“裏切られた”と思われたら辛いですね。
でもcoloriを閉めることで、自分のゆるやかな活動(※2)を終わらせようと思っています。
それは裏切りではなくて、私自身の自己実現にフォーカスするというシンプルなことなんです。
レインボーフラッグを掲げなくても、クローゼットに戻る訳ではないし、これまで通り私らしくいこうと思っています。
ただ関わり方が変わるだけで、これからもコミュニティの側にいるつもりです。
次のフィールドで成功して、セクシュアリティやジェンダーに迷う若いクィアたちのロールモデルになることで、コミュニティに貢献できたらと思っています。

※ 2:活動…社会的・政治的変化をもたらすために意図的な行動をすること

 

—ありがとうございます。
私がcolori caffèさんに興味を持ったのは、レインボーフラッグを掲げて、ヨッシーさん自身がカミングアウトをしてお店をされているからでした。
友達にですらカミングアウトするのは勇気がいることなのに、セクシュアリティを公にしてお店をされている人ってどんな人なんだろう?と。
やはり他のセクマイのお客さんも、自分ではなかなかできないカミングアウトをして、自分自身に誇りを持って働くヨッシーさんの姿に勇気付けられていたんじゃないでしょうか。

※ 3:カミングアウト…打ち明けること。この記事ではセクシュアリティを打ち明けることを指す。

 

ありがとうございます。
そういう形でエンパワメントされた方がいてくれたら嬉しいですね。

 

〜〜〜〜〜

 

お話をお聞きして、ヨッシーさんも悩みながら試行錯誤を重ねた末、閉店を決められたということが良くわかりました。
弊誌Girrls∞Luv!(ガールズラブ)の読者には10代後半〜20代の若い方も多いのですが、その世代は特に自分の進路や働き方に悩んでいる方って多いと思うんです。
そこで、悩んでいる若い人たちへのアドバイスを頂けませんか?

 

そうですね…まずは、物事は全部繋がっているから、心配しないでいいと伝えたいです。
試行錯誤しているときって、ただただ目の前のことに必死だと思うんですが、その頑張ったことが、後々の結果に繋がってくるということが多々あると思うんです。
Chez Panisse (シェ・パニース)での研修が決まったとき、「なんて自分はラッキーなんだ!」と思いました。
でも、私が食材や料理を変えたり、パンやパスタを手作りする様子を見てくれていた友人が「今まで頑張ってきたから結果が出たんだね」と言ってくれました。
小さな努力の積み重ねが、大きな運を呼び込む事もあるんでしょうね。

 

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そして、好きなことをやろう、ということも伝えたいです。
好きじゃないことでだらだら悩むのは時間の無駄なのでとっととやめて、好きなことでどんどん悩んだらいいと思います(笑)
その中でもがきながら少しでも前進していけば、自分のゴールに近づいていけるはずです。

また、外に目を向けていくということも大切だと思います。
他の人の考え方や文化に触れることが必要ですよね。
人の意見を鵜呑みにするという意味ではなくて、「こういう文化もあるんだ」という捉え方が大切だと思います。
そのために、コミュニケーションツールである語学を学ぶことも必要になると思います。
日本人には、無意識の差別意識があると思うんです。
様々な文化やバックグラウンドを持った私の友人たちは、「日本では生きにくい」と言います。
でもそれは、単に日本人が今まで異なる文化に触れてこなかったことが大きいと思うんです。
だから、様々な文化に触れて、異なる文化を持つ友達を作ってください。
これは、色々なマイノリティを受け入れることにも当てはまると思います。

 

—私は20代後半なのですが、自分の進む道に迷いながら働いているところがあるので、とても心に響きました。
それでは最後に、今後のヨッシーさんの目標・展望を教えてください。

 

これからの私の目標は、人を幸せにすることで自分も幸せになることです。
ワイワイいつでも人がいるような繁盛店を作って、これまで通り楽しく仕事をしたいです(笑)
そして、料理という世界の中でも、オープンリークィアとして常に等身大の自分を表現していきたいと思います。
そういった私の姿を見て、クィア・LGBTが元気になってくれたら一番嬉しいです。

 

—貴重なお話をありがとうございました!
今後のヨッシーさんの活躍を拝見するのが楽しみです。
ぜひまたGirrls∞Luv!でも近況を聞かせてください!

 

ありがとうございます。
私も、InstagramやSNSなどの自分のメディアで近況を発信していけたらと思います!

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

\colori caffèさんのご紹介/

閉店まであと2ヶ月ほど。ぜひぜひお店に足を運んでみてください!

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大きなレインボーフラッグがお店の目印。

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木目調のインテリアがおしゃれな落ち着いた店内。

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京都の新鮮な野菜を使ったサラダや前菜が楽しめます。

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旬のものを使ったパスタは、素材の味が楽しめるオイル系がおすすめです!

 

colori caffèさんのお料理はこちらでも詳しくご紹介しています! ⇒ http://girrlsluv.com/colori-caffe/

 

colori caffè(コローリカフェ)

京都市上京区千本通出水下ル十四軒町394-1-113
TEL: 075-801-5634
http://www.coloricaffe.com
Monday: Closed
Tuesday: 15.00-22.00 (L.O.)
Wednesday – Sunday: 12.00-22.00 (L.O.)
Instagram⇒https://www.instagram.com/colori_caffe/
Twitter⇒https://twitter.com/colori_caffe

 

Text by: えみりー
coloriのパスタは2皿食べたい貪欲な編集長

 

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