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何が違うの?比べてみました〈同性パートナーシップ制度〉

渋谷区の同性パートナーシップ証明書を皮切りに、現在全国5つの自治体で同性パートナーシップに関する制度が実現されています。
愛する人と一緒に役所へ書類を提出するのって、新しい生活のスタートを思わせてドキドキしますね。
では、それぞれの申請にはどのような書類が必要なのでしょうか?また、この5つの制度には何か違うところがあるのでしょうか?
ここでは2つのポイントを比べてみました。

その①「条例」と「要綱」の違い

渋谷区では同性パートナーシップ証明書について「条例」が制定されました。
そして、世田谷区・三重県伊賀市・兵庫県宝塚市・沖縄県那覇市の4つの自治体では同性パートナーシップの制度に関する「要綱」が定められました。
では「条例」「要綱」の違いとは何でしょうか?

「条例」とは
法令の一つです。法令は「法律と命令を合わせたもの」で、国民(住民)の権利義務について定めています。
そして、条例は地方公共団体が、議会の議決によって制定する法規で「みんなが守らなければならないルール」なのです。
参照:「国民生活センター」やさしく解説 法律基礎知識 「法令の種類を知ろう(1)(2)」

「要綱」とは
要綱とは不公平な取扱いがなく、スムーズに事務処理をするために首長が定める”事務マニュアル”とイメージしてよいでしょう。
法令の根拠はなく、地方自治体の基本的な、又は重要な内部事務の取扱いについて定めたもので、法的な拘束力はありません。
参照:「国民生活センター」やさしく解説 法律基礎知識 「法令の種類を知ろう(2)」

渋谷区では「渋谷区男女平等及び多様性を尊重する社会を推進する条例」に基づいて、パートナーシップ証明書を交付できるようになりました。また、区内の事業者に公平・適切な対応を求めることができます。
比べて、同性パートナシップに関する要綱を定めた世田谷区をはじめとする4つの自治体の制度に法的な力はありませんが、渋谷区のパートナーシップ証明書と同じく、携帯料金の家族割引や生命保険の受取人の指定、航空会社のマイルの共有申請など民間業者のサービスに対して使うことができる場合があります。(※事業者によって異なります)

条例と要綱はどちらも国会で定めた法律ではありませんので、どちらもその制度がある自治体に居住(予定も含む)する人に限られています。
また、法律婚のように同一世帯になるわけではないため、税法や健康保険における配偶者にすることはできません。
しかし、公営住宅に同性パートナーを家族として入居申請ができたり、入院時に同性パートナーを家族として面会できるように、区や市が努めることを表明したり、性的マイノリティに関する啓発を行うようにするというのは、大きな前進であることは間違いないでしょう。

その②それぞれの制度で必要になる書類や費用をまとめてみました
◆東京都渋谷区「渋谷区パートナーシップ証明書」2015年11月より開始〔条例〕
<申請できる人>

    双方が次のすべてに該当することが必要です。

  • 渋谷区に居住し、かつ、住民登録があること
  • 20歳以上であること
  • 配偶者がいないこと及び相手方当事者以外のパートナーがいないこと
  • 近親者でないこと

<必要なもの>
次の2つの公正証書が必要となります

  1. 任意後見契約に係る公正証書
    →二人が、相互に相手方を任意後見受任者とする任意後見契約に係る公正証書を作成し、登記していることを確認します。
  2. ※任意後見契約とは
    任意後見契約は、将来、本人の判断能力が不十分となったときの自分の生活、療養看護および財産の管理に関する事務について、あらかじめ、任意後見受任者(任意後見契約の効力が生じた後は「任意後見人」とよばれます。)に代理権を付与する委任契約を締結しておくことです。これにより、将来、本人の判断能力が不十分となった場合に、任意後見人が契約に基づいて本人の生活を守るということを目的としています。
    自分が元気なうちに,自分が信頼できる人を見つけて,その人との間で,もし自分の判断能力が衰えてきた場合には,自分に代わって,自分の財産を管理したり,必要な契約締結等をして下さいとお願いしてこれを引き受けてもらう契約を,任意後見契約といいます。
    出典:「渋谷区パートナーシップ証明任意後見契約・合意契約公正証書作成の手引き」

  3. 合意契約に係る公正証書
    →二人が共同生活を営むに当たり、当事者間において、次の事項が明記された公正証書を作成していることを確認します。
     ・二人が愛情と信頼に基づく真摯な関係であること。
     ・二人が同居し、共同生活において互いに責任を持って協力し、及びその共同生活に必要な費用を分担する義務を負うこと。
  4. ※当事者間で、上記以外に必要な事項があれば、それを明記することは自由

<かかる費用>

  • 証明書発行手数料(300円)
  • 公正証書の作成や登記に関する費用約8万円(法律事務所等によって費用は変わります)

<手続きの期間>
証明書の発行は申請日から約1週間かかります。

渋谷区HPはこちら

 

◆東京都世田谷区「世田谷区パートナーシップの宣誓の取組み」2015年11月より開始〔要綱〕
<申請できるひと>

    次の全てに該当するカップルの方

  1. 双方が20歳以上
  2. 区内に同一の住所を有する、または、一方が区内に住所を有し、かつ他の一方が区内への転入を予定している

<必要なもの>
宣誓にあたっては、事前の予約が必要。
担当に宣誓の日時を問い合せ、電話またはファクシミリで申し込み。

<かかる費用>
無料

<手続きにかかる期間>
宣誓の日に宣誓書を即日発行

世田谷区HPはこちら


◆三重県伊賀市「伊賀市パートナーシップ宣誓制度」2016年4月より開始〔要綱〕

<申請できる人>

    次の要件に該当する同性カップルが対象となります。

  1. 双方が20歳以上であること
  2. 双方が独身であること
  3. 双方または一方が市内在住であり、一方が市内に住んでいない場合は市内に転入の予定であること

<必要なもの>

  • 住民票
  • 独身証明書(本籍地で発行)
  • 本人確認書類

<かかる費用>
無料※以下書類発行費は別途必要

  • 住民票発行費(300円)
  • 独身証明書の発行費(300円程度※自治体によって変わります)

<手続きにかかる期間>
宣誓日を事前に市と調整する必要があります。
そして宣誓日当日、個室で担当者が2人にヒアリングを行ったのち、宣誓書に署名。
その際、住民票と独身証明書を提出します。
宣誓書の写しと受領証は宣誓日以降に発行(市から交付可能日の連絡あり)

伊賀市HPはこちら

 

◆兵庫県宝塚市「宝塚市パートナーシップ宣誓」2016年6月より開始〔要綱〕
<申請できる人>

  1. 双方が20歳以上であること
  2. 双方または一方が市内在住であり、一方が市内に住んでいない場合は市内に転入予定であること
  3. 双方に配偶者がいないこと及び当事者以外の者と同性カップルでないこと

<必要なもの>
次の二つの書類が必要です。

    ①本人確認ができる書類(下記のいずれか一つ)

  1. 住民基本台帳カード(顔写真が貼付されたものに限る。)
  2. 個人番号カード
  3. 旅券
  4. 運転免許証
  5. 上記のほか、官公署が発行した免許証、許可証又は登録証明証で、本人の顔写真が貼付されたもの

②独身証明書(本籍地で発行)

<かかる費用>
無料※以下書類発行費は別途必要
独身証明書発行費用(300円程度※自治体によって異なります)

<手続きにかかる期間>
事前に宣誓する日や手続きに関する詳細などを電話、もしくは窓口で問い合わせする必要があります。その際、宣誓日を市と取り決めます。
後日、宣誓日と必要書類が記された書類が郵送されますので、それに従って手続きを進めていきます。
宣誓をしたその日に、受領証を受け取ることができます。

宝塚市HPはこちら

 

◆沖縄県那覇市「那覇市パートナーシップ登録」2016年7月より開始〔要綱〕
<申請できる人>

    1. 互いを人生のパートナーとし、継続的に共同生活をしている、又はそうしようと約束していること。
    2. 2人の戸籍上の性別が同一であること。
    3. 20歳以上であること。
    4. 住所につき、下記の①②③のいずれかに該当すること
      ①2人とも那覇市民であること。
      ②1人が那覇市民、もう1人が市内への転入を予定していること。
      ③2人とも市内への転入を予定していること。
    5. 下記の①②に該当する、1対1の関係にあること
      ①配偶者がいないこと。
      ②申請者以外の者とのパートナーシップの関係がないこと。

※「パートナーシップの関係がない」とは、他の方とのパートナーシップ登録がない、ということだけではなく、パートナーシップ関係にもとづく養子縁組等がないことを含みます。
※上記5つを満たす場合でも、2人のパートナーシップが「公序良俗」に反すると認められる場合には、登録を行いません
(例:近親者間のパートナーシップなど)

<必要なもの>

  • 那覇市パートナーシップ登録申請書
  • 住民票抄本 (それぞれ各1通)
  • 戸籍抄本  (それぞれ各1通)
  • 本人確認ができるもの(写真付きは1点、写真がないものは2点必要)

<かかる費用>
無料※以下書類発行費は別途必要
住民票抄本発行費(300円)
戸籍抄本の発行費(450円)

<手続きにかかる期間>
申請から交付までは1週間程度
受取可能日の電話連絡があるので、2人もしくは1人で受取りにいきます。
その際、本人確認できるものを持参する必要があります。

那覇市HPはこちら



なんと那覇市の「パートナーシップ登録」の要綱によると、戸籍上の氏名とは異なる通称名を使うことができるとのことです。

(通称名の使用)
第10条 性別違和等市長が特に必要があると認める場合は、パートナーシップ登録における氏名について通称名を用いることができる。
出典:那覇市パートナーシップ登録の取扱いに関する要綱

那覇市の制度では以下の証明書が交付されます。

  1. 那覇市パートナーシップ登録証明書
     →1通のみの交付で二人で大切に保管するもの。
  2. 登録証明書の再交付
     →失くしてしまったり、破れてしまったりするなど、特別な事情があると認められる場合にのみ、登録証明書の再交付を受けることができます。
  3. 登録に関する事実証明書
     →以下の事実について証明を受けることができます。
     ・登録をした事実についての証明
      …既存の民間サービスを利用するときなど、第三者にパートナーシップ登録をしている事実を証明する必要がある場合に利用するものです。
     ・登録を削除された事実の証明
      …登録後、契約した民間サービスを解約するときなど、第三者に登録を削除された事実を証明する必要がある場合に利用するものです。

これらのうち「那覇市パートナーシップ登録証明書 」では、戸籍上の氏名と異なる通称名を使用することができます。
ただし、民間サービスを利用するときなど、第三者にパートナーシップ登録を証明する際に利用する「登録に関する事実証明書」については、通称名を使用できません。
これは第三者に提示する可能性のある書面として、本人確認等に混乱が生じることを防ぐためです。
パートナーシップ登録で戸籍上の氏名とは異なる通称名を利用できると明記しているのは那覇市のみで、”戸籍上”の性別による名前に違和を感じる人にも制度を利用しやすいようにと、当事者の視点に寄り添ったものになっています。
例えばFtMの人でも戸籍上女性で、相手も戸籍上女性の人であれば「パートナーシップ登録」ができます。
戸籍上女性の人でも性自認が女性じゃない場合もあり、そのような多様な性のあり方に即した制度にするため「同性」という言葉を使わず「パートナーシップ登録」という制度名にしているそうです。

メールや電話でお問合せができますので、手続きの詳細は各自治体の担当へご確認ください。

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他自治体・企業にもある「同性パートナー制度」-それは多様な生活のあり方のほんの一部

パートナーシップ制度ではないですが、フレンドリー宣言等をしている自治体もあります。
◇大阪市淀川区「LGBT支援宣言」
LGBT当事者との意見交換会や教職員向けのハンドブックの作成など行っています。
LGBT当事者やコミュニティーを支援する宣言は国内初です(2013年9月)
淀川区LGBT支援事業HPはこちら

◇奈良県奈良市
LGBTの旅行を支援する国際団体「国際ゲイ&レズビアン旅行協会」に加盟。
日本の自治体では初めての加盟です。(2016年2月)
参照記事「LGBTを積極的に観光誘致…奈良市、国際援団体に加盟へ 国内自治体で初

このように地方自治体をはじめとして、企業でも社内規定を改定し、同性パートナーを配偶者として福利厚生が活用できるようになってきています。
参照記事「楽天、社内規定における配偶者の定義を改定 

しかしセクマイについて自治体や企業の理解が深まり、支援があるのはとてもうれしいことですが、肝心なのは一人ひとりの多様な生活のあり方が尊重されることです。
同性パートナー制度は、多様な生活のあり方の一部が社会に見えるようになった”きっかけ”にすぎません。
またLGBTは「国際的な流れだから」「今の時代に必要だから」「新たな消費が見込まれるから」どんどん受け入れていく、というだけでは大切なものを見失ってしまいます。
本当に大切なのは、ひとりひとりの日々の生活。
性別やセクシュアリティを問わず、パートナーと共にすごす日々の安心と保障はもちろん、多様な性のあり方に沿うことのできる社会について、これからも考えていく必要があるのではないでしょうか。

Text by:Tommy
楽器を演奏するのはどうやら脳に良いらしいと聞き、高校吹奏楽部を引退して以来8年ぶりに再開し、脳トレに励む26歳。

何が違うの?比べてみました〈同性パートナーシップ制度〉
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