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philosophia

タバコと会話が紡ぐ百合—漫画「philosophia」レビュー


※このレビューは漫画本編のネタバレを含みます。




「philosophia」 天野しゅにんた

philosophia (百合姫コミックス)

今回は天野しゅにんた著の漫画「philosophia(フィロソフィア)」をレビューしたいと思います。
天野しゅにんたさんは、女性×女性の恋愛をテーマにした作品(通称:百合)を多く描かれている漫画家さんです。
(現在は百合作品は連載されていませんが、月刊アクションで「ラストメンヘラー」という小説を原作に漫画を描かれています)
天野先生の作品の多くでは、現代の苦い世代の恋愛が緻密に描かれています。
個人的な話になりますが、この作品も作者買い……といってはおかしいですが、
天野先生のファンなので購入しました。


今回は天野先生の作品の中で一番オススメの作品「philosophia」をご紹介したいと思います。




==あらすじ==


「大学って、将来のために勉強するところだよね?」


大学の喫煙所。そこで新入生の愛(あい)は配られたプリントを見ながら見ながらため息をついていた。
新歓飲み会オトコ合コン色恋沙汰,etc,etc…。愛はほとほと呆れていた。
そんなところに一人の女性が声をかけてきた。
「火、貸してくれますか?」
声をかけてきたのは、大学の先輩の知(とも)。
真面目で将来を見据えて勉強しか目的のない愛と、不真面目でどこかつかみ取れない愛の、タバコと会話で繰り広げられる百合ストーリー。




出会いのきっかけはタバコ

大学生の愛(あい)と愛の先輩である知(とも)は「タバコ」をきっかけに知り合いました。
入学式を終えた愛が喫煙所でタバコを吸っているところに、ライターを忘れた知が愛に話しかけるー
その時、二人が交わしたのはほんの些細な会話ですが、それをきっかけに愛と知は交流を深めていきます。




ただ会話をするだけの愛と知の関係

この作品では、愛と知が会話をするシーンがひたすら描かれています。
いつも愛と知が話すのは大学の喫煙所か、タバコが吸える知行きつけの喫茶店。
喫煙所でも喫茶店でも交わされるのはたわいのない会話。
「ねえ愛、10月ってこんなに暑いっけ」「来年度は喫煙所なくなるらしいですよ」
といった何げない会話です。
その中で愛は、自分の中の知に対して友情や憧れではない「特別な感情」を抱いていることに気づいていきます。


この漫画で面白いのは、ほとんど会話が何も変哲もない内容であるところです。
なんの変哲のない会話でありながらも、その会話から二人の相反する性格が浮き彫りになっていくのが見どころでもあります。
また漫画の中では、二人が話している環境、季節、表情、立ち振る舞い、会話をしながらどんなことに目を向けているかなどの細かい描写まで描かれています。
その為、自然と二人の心情をなぞりながらストーリーを読んでいくことができるのも、この漫画の魅力の一つです。
これがメールやLINEの会話だとしたら、また違っているのではないかと感じました。




届かない知への片思い

二人は、お互いの人生観や共通の関心である「本」についても話すようになっていきます。
その会話を通して愛は知自身のことを知ろうとしますが、いつものらりくらりとかわされてしまいます。
これまで愛は、他人の恋愛感情に対して批判的な感情しか持っていませんでした。
恋愛なんて時間の無駄であり、「自分自身で独りで生きているようになるために勉強をしているんだ」と愛は考えていました。
しかし、知への恋愛感情を意識してから、初めてその批判的な感情から解き放たれて、知の心を探ろうとします。
そして最後には海外に飛び立つ知に対して、自身の感情を伝えます。


会話というものはその場かぎりの一瞬のものです。
ですが、その会話の積み重ねが関係を作り、お互いの感情を成長させることだってあるのです。
「philosophia」はその何げない会話に含まれる一時の儚さや、感情の揺れ動きを描いているものなのではないか思います。




天野しゅにんた先生のオススメの作品

天野先生の漫画は、ギャグ路線の作品・シリアス路線の作品がありますが両方ともオススメです。
どちらも楽しく、時には考えさせられるような話ですので、是非読んでみてください。


ギャグ路線が好きな方は「あやめ14」や「湯けむりサンクチュアリ」
あやめ14: 1 (百合姫コミックス) 湯けむりサンクチュアリ (百合姫コミックス)

シリアス路線が好きな方には「私の世界を構成する塵のような何か。」や「初恋構造式」がオススメです。
私の世界を構成する塵のような何か。: 1 (百合姫コミックス) 初恋構造式 (百合姫コミックス)




Text by:はな
就活終わりました。
ライブが全力で楽しめます。

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タバコと会話が紡ぐ百合—漫画「philosophia」レビュー
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