シェアする
Share on Facebook0Share on Google+0Tweet about this on TwitterShare on Tumblr0

百合のリアル

彼女ができない焦りから童貞(かつ処女)が解放された1冊:「百合のリアル」牧村朝子著

「百合のリアル」を手に取った3年前の私は、彼女なし歴=年齢の24歳でした。
そして同性異性ともにそんなにモテることもなく、「売り時なのにもったいない。来年はもう売れ残りになるよ」と、女性をクリスマスケーキになぞらえた言葉が重く突き刺さっているオンナノコでした。

「高校のときの叶わなかった片思いの相手は女の子だったな」
「大学生になってからも、恋愛とかよく分からなくて浮いた話もなかった」
「魅力的に感じるのは女性の方が多いけど、なんか愛だの恋だの言ってられる年齢じゃなくなってきたな」
「女性限定のクラブイベントとか行ってみたけど、誰かに声をかけるとかできないし、まずあんまり馴染めない。それにお酒とか夜遅い時間とか苦手で、タチ/ネコ/リバとか経験がない自分にはちょっと……」
「このまま自分の気持ちが分からないまま、何となく結婚して家庭に入るのかな」

一つでも何か思い当たることはありませんか。
当時24歳の私はこれらの思いを抱えて悶々とし、
「恋愛経験がない」
「経験もないから童貞かつ処女」
ということに、焦りを感じていました。
そんな恋愛経験ゼロを〈拗らせ〉ていた私の心を軽くし解放したのが、牧村朝子著「百合のリアル」でした。
どうしてこんな恋愛拗らせオンナノコが解放されたのか。
その理由を追及するとともに、本書のおすすめポイント3つご紹介します。

おすすめポイントその①
新書だからって身構える必要なし!対話とマンガとコラムで、本と自分がつながる感覚

新書とは教養書としての性格を備えており、専門家がそれぞれの研究の最先端の内容を一般に広めるために出版されることが多いジャンルです。
そんな新書のコーナーに並んでいるので、周囲に並ぶ他の書籍のタイトルにつられて「百合のリアル」も一見気難しそうに見えてきますが、まずは手に取って開いてみてください。
牧村さん(以下親しみを込めてまきむぅと表記させて頂きます)の自己紹介から始まり、このような言葉が続きます。

この本は、レズビアンのためだけの本ではありません。同性愛者の自伝でもありません。「レズビアンという概念と、牧村朝子という事例」を通して、男とか女とか、同性愛者とか異性愛者とか、オタクとか優等生とか、B型とかAB型とか、色々ザクザク切り分けられているこの状況との、向き合い方を見つけるための本です。
―引用:「百合のリアル」本文P4より

ですから、レズビアンでない方にも読んで頂きたいですし、この本を我が子の本棚に見つけた親御さん方もどうかパニックにならないで頂きたいなと思います。
―引用:「百合のリアル」本文P4より

本文の言葉が紙面から離れて、まるでまきむぅ自身がこちらと同じ目線で語りかけているように感じませんか。
本書はマンガと登場人物の会話で自然とページをめくることができ、コラム「まきむぅからの手紙」ではまきむぅが自身の体験や考えを読者である私たちに向けて言葉を綴っています。
その言葉が読者の方へ降りてくる感覚に助けられ、いつの間にか読み通せてしまいます。

おすすめポイントその②
分かりやすさを裏付ける豊富な知識と参考文献の量!なのに重たくない読後感

セクシュアリティに関する話題にどんな印象を持っていますか?
「百合のリアル」を読む前の私にとって、セクシュアリティに関する話題は、真面目で堅苦しい上に、どこでその知識が得られるかも分からず、ネットで手探りしているような状態でした。

本書では立場も年齢も性別も違う4人の若者が〈本当の「モテ」を考えるMAYAの恋愛セミナー〉にそれぞれの思いを抱えて参加します。

全然モテないのが悩みの”ヒロミ”(24歳)
彼女に振られたばかりで傷心の”アキラ”(23歳)
友達とのガールズトークに何となくついていけない”はるか”(16歳)
豊胸手術がきっかけで彼女に別れを告げられた”サユキ”(30歳)

セミナー講師は女性のパートナーと暮らす年齢不詳の”マヤ先生”

この4人と1人の先生の会話を通してセクシュアリティに関する話題が嚙み砕かれていくので、専門用語が分からないことを恥ずかしいとか意識が低いとか、そういう”ためらい”を含んでいた気持ちが、するすると解消していきました。

また、セクシュアリティに関わる話題を噛み砕くとき、法律や医療ではどのような見解があるのか、歴史はどのような歩みがあったのか……など丁寧な調査に基づいた数々の資料が活用されており、私たちを取り巻く状況を冷静に考えることができます。
そうして登場人物とともにセクシュアティを取り巻く過去を振り返り、現在を知ることで「自分はどう生きていくのか」という視点を持つことができるようになれる本です!

おすすめポイントその③
「レズビアン」言葉によるカテゴライズから解放され、自分がどうありたいかを考えられる

あなたは「モテたい」?誰にどう「モテたい」?
そんな問いかけから始まるセミナーで、マヤ先生はこう言います。

『自分は何をモテだと思っているのか』『それを自分は本当に望んでいるのか』まずはそこからよ。
―引用:「百合のリアル」p,13より

オンナノコが好きなのかも知れないけど、女性と付き合ったことがない自分。
果たして「レズビアン」と自称できるのか。「レズビアン」が自分を表す言葉だと思っているのか。
「レズビアン」という言葉に対する違和感が拭いきれずにいた私は「レズです」と自分で言うことで、セクシュアルマイノリティコミュニティの一員になれた気がするという帰属感と引き換えに、何かを見失っていました。

そうして〈恋愛経験ゼロ〉を拗らせていたときに、まきむぅの本に出会いました。

「レズビアン」や「ゲイ」にならなくても、あなたはあなたの愛する人を愛せます。
―引用:「百合のリアル」p,249より

自分を理解するため・理解されるために、「レズビアン」という言葉を自分に押し付けて型にはめようとしていたのではないかと気が付きました。
私にとって「レズビアン」という言葉は、自分にとって自然と思わないのであれば、わざわざ選ばなくてもいいのです。
そういう風に考えると、一気に胸がスッと軽くなりました。
そして自分、また他の人に対しても言葉によるカテゴライズをしないようにすると『恋愛経験のない童貞かつ処女の24歳』と焦っていたはずのオンナノコは、いつの間にか心の中から消えていました。
それらは全部、他人から、そして何よりも自分で自分を言葉によって縛り付けていたのです。
すると次第に「モテたい!」と無理をして尖った格好をすることもなく、素直に振舞えるようになり、セクマイコミュニティでもセクマイ以外のつながりの中でも、気が楽になりました。

まとめ:まきむぅの言葉のしなやかさが素敵です!

いつでも私たちに目線を合わせて言葉を届けてくださるのが、まきむぅの本でありまきむぅの芯だと実感しました。
まきむぅが丁寧に織りなした言葉は、興味深い発見と知識と、そして自分を大切する素直さ・しなやかな勇気をもたらしてくれます。
ぜひ一冊手に取ってみてください。
「百合のリアル」は書店で購入できるだけでなく、電子書籍版が今月の1月13日に配信されるそうです!書店へ行くのが難しい方、実家住まいで家の人にはまだクローゼットな方にとっても、手に入りやすいのでほっとしますね。ぜひチェックしてみてください!

▽百合のリアル (星海社新書) 新書 –牧村 朝子 (著)

▽「百合のリアル」電子書籍版は書籍版より約1万2000字修正加筆されました!【1月13日配信】

◆NEW!お知らせ◆まきむぅが1月14日開催の関西LGBT成人式にやってきます!

今月の1月14日(土)に開催される関西LGBT成人式のゲストに、まきむぅこと牧村朝子さんがゲスト出演されます。
まきむぅの声で、まきむぅの言葉を直接聞けるチャンスですね!
関西LGBT成人式は、今年成人を迎える人だけでなく、すでに成人している方も参加可能なので、ぜひ会場へ♪
【開催概要】
日程:2017年1月14日(土)
時間:13:00~16:00(12:00受付開始)
会場:アルカイックホールミニ(兵庫県尼崎市)
参加費無料・申込不要

詳しくはこちらをチェック→関西LGBT成人式公式HP



text by:Tommy これまで関西LGBT成人式で2回ほど成人式を迎えた27歳です。

Girrls∞Luv!トップへ戻る

彼女ができない焦りから童貞(かつ処女)が解放された1冊:「百合のリアル」牧村朝子著
シェアする
Share on Facebook0Share on Google+0Tweet about this on TwitterShare on Tumblr0

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です